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阪神電気鉄道 本線
住吉 【次の掲載駅】 石屋川
御 影 Mikage
 ●2017年10月 訪問時
【購入日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 きっぷの通し番号が「9888」とは、ぞろ目に惜しいような、でも1000番違いで惜しくないような番号である。
 

【入手日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 当駅は平日の朝ラッシュ時に当駅始発の[区間特急]が7本設定されている。多くは隣の石屋川から回送されて仕立てられる列車であるが、一部に当駅西方の留置線で一晩泊められた編成も使用されている。その一方で、当駅止まりとなる列車は終電間近の下り[急行]が平日に一本あるだけである。この列車は訪問時現在で西宮以西を走行する唯一の[急行]となっている。当駅止まりなのでポケット時刻表に掲載は無いが、到着時刻は最終[普通]石屋川ゆき(0:58発)の前の0:48着である。

 それぞれの画像をクリックすると、拡大表示します。

 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 地名の由来はいくつかあるようで確定的なものは無いようだ。その一方で石材の"御影石"の由来となった地であるとのこと。かつては六甲山で切り出された花崗岩を出荷する港が当地にあり、御影から各地へ運ばれ、鳥居や城の石垣、石橋の材料となったという。
 それとは別に、当地は酒どころ"灘五郷"のひとつでもあり、現在でも続く「剣菱」「白鶴」「菊正宗」といった全国に知られる日本酒の産地でもある。それは当地が名水の地であったことも大きく関わっている。ただその名水も、阪神淡路大震災後に水質の問題が発生していると話を聞く。
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 当駅は、阪神電鉄の駅としては東灘区内の中心駅になるのだろうか。ちなみに東灘区の区役所はJR住吉駅近くにある。
 東灘区は「灘五郷」と呼ばれる灘地域の中心域を含んでいるにもかかわらず、区名を"東の灘"と名乗っている。その原因は、先に神戸市に編入された灘区が成立したが戦前の1929(昭4)年であるが影響している。東灘区の区域となった本庄村(青木・深江など)、本山村(岡本など)、魚崎村、住吉村、御影町の5町村は、遅れること戦後の1950(昭25)年に相次いで神戸市に編入されたが、区名に"東"の字を冠したのも致し方なかった面もある。
 ちなみに当駅に近い阪神の高架下には、酒造りにも使用された「沢の井(澤之井)」の湧水がある。
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 改札口周りの様子。別に変わったところは無いが、何か違和感を感じた。家に帰ってからこの写真を見て気がついたのは、券売機上部にある運賃表にバックライトが入っていないことだった。違和感は変に明るさが足りない感じがした故かもしれない。わざと点灯していないのか、仕様として点灯できないものなのかは判らない。
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 御影駅はカーブした線形の箇所に2面4線の緩急接続を考慮した配線になっている。しかしもともとそれほど余裕の無い場所であったせいかホームが狭い。
 かつて阪神急行電鉄(現・阪急神戸線)が開業した後、対抗策として当駅から神戸方面の線形の悪さをカバーすべく、線形をできるだけ直線になるように線路を敷く第二本線という計画があった。それによれば当駅が現在本線と第二本線の分岐点だったそうだ。それにしてもこの線形の悪さと駅の拡張性に問題がある当駅を場所として選択したのはどういった理由だったのであろうか。しかし結果的に計画は実現することはなく、その残滓のように駅に西側に留置線として姿を留めている。
 戦後になり乗客を増えてくると、ホームの延伸という話が出てくるので、その工事にあたっても苦労したのではないだろうか。そして2009(平21)年の近鉄との相互直通開始にあたっては、近鉄車が神戸まで乗り入れるということになって調査したところ、阪神車より車体長が長い近鉄車がホームを通過すると、車体がホームにあたることが判明し、ホームはスリム化されることになった。
 何か問題を抱えながらも、線路をやりくりしていく歴史が続いているという感じである。
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 1番線ホームの反対側に残る短いホーム。かつての貨物ホーム跡ということだそうだが、第二本線計画の名残という話もあるようだ。
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 上りホームでの緩急接続の様子。上りホームは外側線が本線で内側線が副本線(待避線)となっている。下りホームもかつては同様であったが、近鉄との相互直通開始にあたってカーブが緩い副本線を本線として取り替えられている。
 写真右の1番線に停車している山陽5000系は「Meet Colors! 台湾」ラッピングが施されている。山陽電鉄は台湾鉄路管理局と姉妹鉄道協定を締結しているそうだ。車輛は「魅力あふれる台湾への旅に誘いたい」ということをテーマにしているそうだが、6輛編成の1輛毎にテーマカラーが異なるラッピングがデザインされ、凝っている。車内にも様々な台湾情報が掲出されている。ラッピング期間は2017(平29)年6月から1年間で、ホームページではこのラッピング編成が運用に入る列車時刻が掲載されている。

 ◆写真の列車情報◆ (左)5010F 1526発 9440H~9440[直通特急]姫路→梅田 (右)5517F 1529発 1560[普通]高速神戸→梅田
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 御影駅は特急停車駅。各種の特急停車駅でありながら、下位になる[快速急行]は当駅を通過する。これは当駅の急カーブしているホームに車体長の長い近鉄車が停車するとなると、ホームと車輛の間に大きな隙間ができて危険であるという判断で行われている措置である。[快速急行]の運用に当たっては阪神車も使用されているが、車種の違いで列車の停車の可否を変えることはできないので、こちらも通過ということになる。ただ通過列車も、狭い幅のカーブしたホームを、安全上の対策から写真のシャッターを切るのに速さを気にすることが無いくらいのゆっくりとした速度で通過していく。
 当駅付近のダイヤは、上りは[直通特急]or[特急]が先行で[快速急行]が続行、下りはその逆となり、[普通]は2本待ちとなる。当駅は[快速急行]は通過するが特急系統が停車するので、速達という利便性は守られており、影響を小さい。

 ◆写真の列車情報◆ (左)1029F 1548頃通過 1524~4663[快速急行]神戸三宮→奈良 (右)5513F 1549発 1564[普通]高速神戸→梅田
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 駅を出発した5139Fによる[普通]列車。ちなみにこの編成は、私が訪問した翌月に廃車となった。この写真は末期の勇姿となってしまった。

 ◆写真の列車情報◆ 5139F 1539発 1562[普通]高速神戸→梅田
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22.】
 駅を出発した山陽6000系による下り[直通特急]。駅の西側の線路配線は複雑だ。写真やや奥に線路の間に立っている架線柱が見えるが、その右側が留置線となっている部分で、第二本線の名残でもある。

 ◆写真の列車情報◆ 60??F+6002F 1525発 9151~9151H[直通特急]梅田→姫路
 
【撮影日:17.10.13./掲載日:18.03.22./追記日:24.11.24.】
 日本酒の生産地である灘五郷のひとつの御影郷の地を、「Go! Go! 灘五郷!」ラッピングの[快速急行]が通過する。
 「Go! Go! 灘五郷!」トレインは、ちょうど訪問した月から運転を開始したラッピングトレイン。「灘の酒蔵」活性化プロジェクト実行委員会というところが灘の日本酒をアピールするために企画したという。側面には『灘五郷(西郷・御影郷・魚崎郷・西宮郷・今津郷)が育んできた日本酒文化をほっこり楽しい和風テイストなイラストで表現』(by 灘五郷酒造組合)したそうだ。写真では判りにくいが、確かにポップでかわいらし和風デザインであった。
 「Go! Go! 灘五郷!」トレインは、2017年10月~2019年11月の約2年間運行された。
 
 ◆写真の列車情報◆ 1207F 1543頃通過 4432~1521[快速急行]奈良→神戸三宮
 
 

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