文字数としては阪神最長の駅名である当駅。きっぷの駅名表示は「尼崎」が省略され二行書きになっている。二行で表記されている駅はこのほかに武庫川団地前だけである。
当駅は尼崎競艇場の最寄り駅なのであるが、駅名のセンタープールとは競艇場の競走水面(ボートで競争する場所)を指しているという。西武鉄道にはその名もずばり競艇場前駅が存在するので、駅名を尼崎競艇場前にしても良さそうなものだが、この和製英語のような名前には何か理由があるのだろうか。ちなみに競艇の公式サイトのアーカイブによると、英語で競争水面は"(the) racing surface"というのがどうやら正しいらしい…って直訳じゃん(笑)。
私は昔、尼崎競艇場の存在を知るまでは、この駅の近くにプールをメインとしたテーマパークみたいのがあるのだとずっと思っていた。
ポケット時刻表には普通列車ばかりが並ぶが、特定の競艇レースが開催される期間には[快速急行]や[急行]が臨時停車するらしい。ただ近年停車する臨時列車は少なくなっているようだ。でも[快速急行]が臨時停車するということで近鉄車の停車目標も設置されている。
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当駅のローマ字表記だが、「センタープール」が外来語由来なので英語式表記になっているのはいいのだが、なぜか1単語になってしまっている。もちろん"centerpool"という英単語はないし、和製英語にしてもちょっと変だ。ひとつのものを何でもひとつの名詞で表記してしまうドイツ語由来であったら、この表記の仕方も理解できるのだが…。ちなみにドイツ語(風?)だと"Zentrumpool"になるようだ(笑)。
当駅はもともと臨時駅であったが、出屋敷駅から分岐していた尼崎海岸線の廃止と国道43号線工事の補償として常設駅になったという。でも正直なとこ、尼崎海岸線の路線位置からは離れており、この話で補償のバランスが取れているのかがよく判らないところがある。
この話はこの旅行から帰ってから知ったのだが、駅近くの高架下にかつて阪神と野上電気鉄道で使用された601形604と1141形1150の2輛の保存車輛が置かれているとのこと。先に判っていればのぞきに行ったのに、もったいないことをした。
改札口周りは広く造られているが、改札ラッチ数は3つと少ない。かつては競艇場の試合開催日には多くの乗客が利用したそうだが、ポケット時刻表のところでも書いたように近年は利用者数はめっきり減ってしまっているという。もし利用者数も多く推移するようであれば、自動改札が増設できるような幅は十分あるのだが、長い柵が現状を物語っている。
実は訪問時も競艇場では試合があったのか、場外舟券の発売をやっていたのか判らないが、それ系の新聞をじっくりと読みふけっている競艇愛好者の姿がちらほらと駅構内に見られた。
当駅は3面4線の構えとなっているのが特徴的。一般的な2面4線の配置に上りホームの待避線側には対向式1面の臨時ホーム(写真左側)が備わっている。臨時ホームにも車掌がホーム状況を確認するからモニターが設置されているのが解る。臨時ホームの北側は一面高い壁となっているが、これは壁の向こう側が尼崎競艇場となっており、レースのタダ見を防ぐためだそうだ。当駅が新設された1952(昭27)年当時、地上のホームには簡易な柵しかなく、レースが見放題だったようだ…。
◆写真の列車情報◆5005F 1543発 1470[普通]高速神戸→梅田
駅を通過する西宮[急行]。駅の西(元町)側には渡り線が見られる。上りホームからも入替信号に従って下り側への出発が可能になっている。
◆写真の列車情報◆8245F 1542頃通過 1545[急行]梅田→西宮
駅を通過する山陽車の[直通特急]。
ホームには制服姿の人が写っているが、こちらの方は当駅で待避を行っている[普通]列車の運転士である。待避列車の運転士共々、優等列車の追い越し時(通過、停車にかかわらず)にはホームに出て安全確認を行っている。その際、挨拶も励行している姿も見られ、気持ちがいい。
◆写真の列車情報◆5016F 1548頃通過 9155～9155H[直通特急]梅田→姫路