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信楽高原鐵道 信楽線
紫香楽宮跡 【次の掲載駅】 勅旨
雲 井 Kumoi
 ●2016年10月 訪問時
【入手日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 当駅は住所としては甲賀市信楽町牧という場所にある。近隣には雲井小学校や雲井郵便局などの建物があるが、住所表記としての「雲井」は掲載日現在で甲賀市内に存在しない。ただ1889(明22)年から1954(昭29)年に信楽町へ合併される前までは雲井村として存在していた(雲井駅もその間に開業)。雲井という地名が消えたのは、信楽町へ合併する際、住所を「雲井村○○」というのを「信楽町○○」としたためである。そもそも1889年に雲井村が成立した際、構成した地域には雲井という地名がない。地域には日雲神社という神社があり、もしかしたらここが雲井の由来を関わっているのかもしれない。
 自治体の改変で地名が消えてしましったものの、駅名だけがそのまま残るというケースは全国にまま見られるケースである。こういう駅名はかつてあった地名の証左としてできるだけ残っていってもらいたいものだ。(もちろん駅名を改称するだけに足る理由があれば、変わることを否定する理由はない)
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 雲井駅は国鉄信楽線が開通した1933(昭8)年に、唯一の中間駅として開設された。開設された当初は貨物の取り扱いなども行っていたことから有人駅だったようだが、路線長も短く、戦時中は不要不急路線として休止したりしていたことから、そもそもそれほど貨物需要は多くなかったのだろう。無人駅化は1962(昭37)年と、国鉄時代でも早期に実施されている。
 駅舎自体は開業当初のものであるが、外観はつぎはぎのように補修されており、できた当時のものとはだいぶ変わっていることであろう。それでもなんだか大事に使われているんだなぁという雰囲気を醸し出している建物である。
 駅舎の前には駅舎よりも背の高い2本の木が植えられているのがなんといっても特徴的であるが、この木は何の木だろうか(笑)。
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 駅正面入り口のひさしの下(右側)に建物財産票を発見。この日付からすると、雲井駅の駅舎は開業の4ヶ月後に竣工か、登録したことになる。
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 駅舎をホーム側から見たところ。こうしてみると屋根の様子がよく判るが、このスレート葺きのような屋根も開業時のものではないだろう。おそらくだが、この写真で見えているものの中で、開業時からのものは屋根を支えている白い柱だけではないだろうか。
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 もう一つ建物財産票を発見。上項の写真の中央の屋根を支えている柱に取り付けられていたのだが…、駅舎と一緒の構造物じゃないのか?? というか、こういうのは駅舎全体を「駅本屋」とか単に「本屋」と表示して一枚物なのではないのだろうか?? なぜ屋根を分けているのか不明だ。
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 駅舎内は全面的に補修の手が入っており、駅の雰囲気はなく、待合所となっている。室内が綺麗に保たれているのは好感を持てる。
 かつてはここに木枠でできた小さな窓口とかあったのだろう、とか想像してみるのも面白い。
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 駅の入り口には今時にしては珍しく電話ボックスが…って、中にはなぜに黒電話が。扉にはタクシー会社の電話番号が貼られていて、硬貨投入口もないし、かといってどこにでも電話が繋がったら大変なことになるので、もしかしたらタクシー会社専用の直通電話なのかもしれない。でもさすがに用もないのに電話をかけて確かめるわけにもいかないので、謎のまま。
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 ホームから信楽方向を見る。特に地形的な影響はなさそうなのに、ホームの外れで不自然に線路が曲がっている。この曲がり方であれば、昔は交換設備があったのだろうと想像するが、交換駅だったという記録は掲載日現在見つけられていない。
 掲載日現在の信楽線は、途中で列車交換できる箇所はなく、最小運転間隔は1時間となっている(標準的な片道所要時間は23~25分)。開業時はおそらくSL運転だったので、33‰の勾配を抱える路線でもあるし、所要時間はもっと延びていただろうから、交換駅は必要だったはずである。しかもかつて雲井駅は有人駅だったことも考えれば、ここに交換設備があったと考えるのは、かなり妥当だ。
 
 
【撮影日:16.10.08./掲載日:16.10.25.】
 537D信楽ゆき(1541発)が到着する。
 この写真では解りづらいが、左側にかつて使用されていた貨物ホームの姿が見える。
 
 
 

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