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東海旅客鉄道 飯田線
水窪 【次の掲載駅】 小和田
大 嵐 Ōzore
 ●2013.10.訪問時
【撮影日:13.10.02./掲載日:16.07.07.】
 鉄の間では難読駅名として知られる大嵐駅。
 大嵐駅といえば、佐久間ダム建設時に線路の付け替えが行われた北側の末端。現在は写真奥の付け替えのため掘られた大原トンネルに線路が吸い込まれて水窪川の谷へと繋がっているが、かつての線路は天竜川に沿った右側の道路の方向へ延びていており、島式のホームも道路の側にあった。1942(昭17)年には駅構内が大規模な地滑りによって崩壊してしまうという災害の歴史があり、そのときの復旧には半年の時間を要したという。
 以下、実に細かい話。JIS漢字の大元であるJIS X 0208「7ビットおよび8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合」の1997年の規格改正作業では、一つの漢字について人名・地名の読み方まで事細かに、膨大な量の調査が行われている。そこでは難読駅名のようなものも例外としておらず、「JIS漢字辞典(日本規格協会・2002年初版)」にはほぼ全ての難読駅名に使われている読み方が網羅されている(少なくとも私がいままで探した範囲では載っていなかったことはなかった)。ただ残念ながら「嵐」について"ぞれ"という用例が示されていない。まあ漢字だけでも第1水準から第4水準まで膨大な数があるので、まあこういう漏れもあるのは仕方ない。ただ…惜しいなぁと思ってしまう。ちなみに廃止された旧線の隣駅は白神(しらなみ)駅という名前であったが、「神」を"なみ"と読む用例は示されていない。こちらは佐久間湖に水没してしまったため、現在は地名としても残っていない可能性があり、まあ致し方ない。

 
【撮影日:13.10.02./掲載日:16.07.07.】
 東京駅を模して造られたという駅舎。言われてみればそんな感じもしないでもない。
 駅の所在地は静岡県浜松市天竜区水窪町であるが、主に利用するのは愛知県北設楽郡豊根村(そのうちの旧・富山村)の方々。地理的には駅の目の前に天竜川(佐久間湖)があり、駅そばの橋を渡れば愛知県である。とはいっても周囲に人家は見当たらない。でも当駅には旧・富山村方面に向かうバスが日中の飯田線の電車に合わせるように発着している(平日のみ)。写真の左端に庇の様なものが見えるが、ここには富山地区の郵便配達のために使われるバイクが収納されれている。私が訪問したときに、丁度同じ電車に郵便局の方(静岡県の天竜局の方らしい)が乗車しており、駅を出ると手早くバイクを準備し、愛知県側へバイクを走らせていった。飯田線の山深いところでは電車で郵便屋さんがやってくるとは聞いていたが、実際に目の当たりにして感動してしまった。
 
【撮影日:13.10.02./掲載日:16.07.07.】
 ホーム側から見た駅舎。ホームと駅舎の間は構内踏切で繋がっている。この構内踏切は警報音は鳴り、列車接近の表示も点灯するが、遮断機はない。
 
【撮影日:13.10.02./掲載日:16.07.07.】
 駅舎内に掲示されている時刻表。時刻表は平日と土休日が別の仕様になっているが、時刻はどちらとも変わらない。停車列車本数は下り9本と上り8本で相違があるが、当駅を通過する上り快速1本を足すと帳尻が合う(その他に[特急]2往復が通過)。右に「お知らせ」と題した2枚の掲示物があるが、これはいずれも台風災害により平岡ー天竜峡 間が不通、バス代行となっていることを知らせるものである。
 駅舎内には他に大嵐駅の由緒書きが掲額されている。そこには"大嵐"の地名の謂われなどが書かれているが、その内容は現地で確かめていただきたい。面白いのはこの由緒書きを作成したのは愛知県側の旧・富山村である。
 
【撮影日:13.10.02./掲載日:16.07.07.】
 駅そばの鷹巣橋から天竜川(佐久間湖)の南側を撮影。訪問数日前に雨が降ったこともあって水は濁っていた。写真中程に船が映っているが、おそらくは浚渫船の類いだろう。暴れ川として知られた天竜川であるから、常に湖底の泥を除去していかなければならない宿命にあるのだろう。
 
【撮影日:13.10.02./掲載日:16.07.07.】
 駅北側の大嵐トンネルを出てきてホームに到着する豊橋ゆき。現状の大嵐駅はトンネルに挟まれた場所にあり、ポイントはそれぞれのトンネルの中に設置されている。

 ◆写真の列車情報◆ 海カキ 213系5000番台 H11編成 クモハ213-5011(+クハ212-5011) 1345発 544M[普通]平岡→豊橋(※平時は上諏訪 始発)
 
【撮影日:13.10.02./掲載日:16.07.07.】
 車内POS発券の切符。発券された切符には列車番号も印刷されている。
 
 

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