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小坂製錬 小坂線
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大 館 Ōdate
 ●1994年9月
【撮影日:94.09.15./掲載日:24.07.27.】
 番号:3155。
 入手した入場券には地模様は無く、太い赤線が横に入ってるだけのシンプルなタイプ。
 それにしても駅名の"館"が異体字の「舘」が使われているのはが気になる。駅舎や駅名標にはちゃんと「館」が使われているのに。これはちょっとした謎である。
 
【撮影日:94.09.15./掲載日:24.07.27.】
 JR大館駅のお向かいにある、小坂製錬の大館駅。駅舎の大きさから、かつては小坂と花岡で産出される鉱物関連の輸送と、それに関わる人たちで賑わっていたことが想像される。
 訪れた1994年の秋は、ひとつの窓口と一台だけ置かれた自動券売機の前に、半月後の旅客営業廃止を聞きつけてやってきた老若男女が行列を作り、別の意味で賑わっていた。いつもこんなに賑わっていれば、旅客廃止なんて憂き目に遭わずにいられたろうに…なんて思ったところで、わたしもこんな機会でもないと訪れはしなかったであろう一人なのだが。
 
【撮影日:94.09.15./掲載日:24.07.27.】
 ホーム側の屋根のひさしの下に、素朴な駅名標が掲示されていた。駅名標の後ろに見える出入口が駅事務所へのもの、その左に見える出入口が改札口となる。
 まだこの頃は駅歩きとしては超初心者の時代。まだカメラもデジカメになる以前の時代だったということもあったが、今となってはこの小坂鉄道訪問でなかなかいい記録写真が残せていなかったのは心残りである。

 
【撮影日:94.09.15./掲載日:24.07.27.】
 小坂の主力機で唯一の旅客車輛でもあるキハ2100形。1962(昭37)年に7輛が作られた。当時においても古くさいということもなく、製造当時の車輛としてみればかなり近代的なスタイルであったことを実感する。訪れた時点では3輛が廃車(うち2輛は同系列会社の岡山県にある同和鉱業片上鉄道移った後の廃車)となっていて、在籍しているのは4輛のみ。しかし4輛が一度に稼働することはなく、平日は2輛、休日に至っては1輛が稼働していれば用が足りていた。
 
◆写真の列車情報◆ キハ2100形 キハ2107 855発 5列車 [普通]大館→小坂
 
【撮影日:94.09.15./掲載日:24.07.27.】
 キハ2100形の運転台(大館側)。
 
【撮影日:94.09.15./掲載日:24.07.27.】
 大館を出発した列車の車内には多くの乗客が乗車していた。乗客たちの中に、この日の数日前に地元の新聞社が小坂鉄道の旅客営業廃止の記事が掲載されていたのを読んで、お名残乗車にやってきたと話している方たちがいた。前方の運転席の後ろ(写真奥側)に立っている数人は"サウンド鉄ちゃん"で、走行音の録音をしていた。
 思えばまだこの当時は、路線などが廃止になるからといって"葬式鉄"といわれるの鉄道ファンが(ある程度は集まるにしても)殺到するような状況になることもなかった時代。この訪問の約1年後にはWindws95が発売されて、世の中がインターネットの時代、そしてSNSの時代へと流れていくわけだが、そういったツールが"迷惑鉄”を生んでいった背景にあるのは間違いない。

 
 

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