HOME中国JR西日本美祢線

西日本旅客鉄道 美祢線
湯ノ峠 【次の掲載駅】 於福
厚 保 Atsu
 ●2008年10月訪問時
【撮影日:08.10.11./掲載日:15.07.23.】
 「厚保」は鉄道ファン以外の間でも意外に有名である。といっても多くの方々は地名として認知しているわけではない。PCで文章を打っているときに、「あつ」を漢字変換すると変換候補に出てくるということを覚えているようで、なんで「保」がくっついているのかかなり怪しまれているようだ。そういう方に「これは地名だよ」と教えてあげると、相手はなるほどと思ってくれることが多い。でも結局は「保」がくっついている理由が解らず、訝られてしまうのである。読みの理由まではさすがに鉄道ファンでも答えられない。
 でも「厚狭」が“あさ”と読むので、「厚」=“あ”と考えると、「保」=“つ”と仮名を振るとも考えられる。だとしたら、“つ”はどこから来たのだろうか? 近そうなのだと“たもつ”とは読むけれど、無理があるよなぁ。しかも“つ”は送り仮名の部分だし…。何かが転訛したのか、はたまた別の字を借りてきたのか…不思議である。
 
【撮影日:08.10.11./掲載日:15.07.23.】
 厚保の駅舎は、こうして見ていると、周囲の景色と相俟って、屋根に雪の滑り止めを付ければ北海道に存在するような風貌に見える。
 この付近は厚狭川に沿って美祢線が走っているが、周囲は谷あいで住宅がそんなに多くは見えない。ただ駅南側に住宅が集まっており、さらに南側で分かれる原川という支流沿いには厚保の町の中心部がある。中心部には中国自動車道の美祢西I.C.も存在する。
  
【撮影日:08.10.11./掲載日:15.07.23.】
 入口の駅名表示は漢字が使われず、ひらがな表記だ。これってもしかして地元でも不思議な読み方だと思っている、ということなのだろうか。…いやいや、他所からの来訪者のためなのだろう。
 改札口の向こうには、2番線ホームの駅名標が見える。これで漢字のフォローもばっちり…!?
 
【撮影日:08.10.11./掲載日:15.07.23.】
 この時の旅程では、厚保駅で約1時間の待ち時間があった。にしても、やることもなく、当日は4時半くらいに起きたので、誰も来ることが無い駅舎の中で昼寝をすることにした。ベンチで仮眠すること数十分後、ふと駅舎内の掲示物に目をやると、そのひとつに「一畑薬師」の文字があることに気がついた。写真の掲示物を読むと、当地には「厚保一畑薬師 薬王寺」なる寺社があり、れっきとした島根の本家一畑薬師の分社であることが示されている。
 鉄ちゃん的には島根県の「一畑電車」のことを思い出すが、その「一畑電車」も一畑薬師の参詣鉄道として開業した側面を持っているので、ある意味鉄道と関係がある寺社ということになる。ちなみに一畑薬師は眼病に霊験があるとされている。私は本家の島根の一畑薬師には1997(平9)年に参詣している。
 こちらの一畑薬師は1時間程度あればお参り込みで余裕で駅と往復できそうな場所にあるようで、もう少しこのことに早く気がついたら行ってみても損は無かったかなぁ、と今でも思っている。ただ次に訪れるチャンスはあるのかは…微妙である。
 おまけ情報としては、当地は「厚保栗」という地元ブランドの農産物があるらしい。
 
【撮影日:08.10.11./掲載日:15.07.23.】
 この時の一連の旅では山口県の駅をいくつか巡ったが、多くの無人駅の駅舎内には写真のような列車到着案内の行灯が存在した。列車が到着する数分前になると、写真のように点灯するとともに、駅舎内に大きなブザー音が鳴動する。しかも「ビー」という抑揚の無い単調な音でうるさい。でも考えてみると、うるさいくらいにしておいた方が親切なのかも知れない…?
 
【撮影日:08.10.11./掲載日:15.07.23.】
 ローカル線には似合わず長いホームを有している。長大なセメント貨物の交換などで構内を長く取るのは判るのだが、これだけホームが長いというのはかつては旅客列車の編成もそれなりの長さがあったのか、混合列車でも対応できるようにしてたのか…、理由はよく判らない。今では長い編成でもキハ120形が2両程度であるから、ホームも手持ち(?)無沙汰だろう。
 
【撮影日:08.10.11./掲載日:15.07.23.】
 厚保へは、写真の列車に於福から乗り込んだ。降車後の一コマ。
 
【撮影日:08.10.11./掲載日:15.07.23.】
 厚保駅は無人駅だが、駅前にある電気屋さんで切符を購入することができる。昔はこういう委託販売所とか多かったと思っているのだが、ワンマン運転による車内での運賃収受という合理化の下、減っていることだろう。でもたまーに旅行しているとこういう場所に出会うと、鉄道運が上昇したかなぁと思ってしまう。
 
 

▲このページのTOPへ戻る