HOME東中部

伊豆急行 伊豆急行線
Izukyu Co., Ltd. / Izu-Kyūkō Line

駅リンク先
なし 

 ●1998年10月 2100系 新型電車完成記念 記念乗車券
【入手日:85.07.20./掲載日:23.10.02.】
 2100系の第1編成が登場した際に発売された記念乗車券。2100系は、伊豆急行が当時やや落ち込んでいた観光需要を喚起する施策のひとつとして製造された電車編成で、一般電車でありながら、オーシャンビューが楽しめるように海側の座席を車窓方向に配列したり、運転台の後方には前面車窓が楽しめるように階段状の展望席を設けたりと、その後のリゾートトレインの嚆矢となった画期的な車輛であった。当時は観光用という発想を持った列車などは皆無で、伊豆急行でもロイヤルシートという特製のグリーン車を1輛だけ所有していたが、他はクロスシートの普通車とグリーン車のみであった。
 記念乗車券の台紙は大きさが縦258mm×横182mmあり、片面が上下2面と、立て置きするときの二等辺三角形の底辺になる面(のりしろを含む)で構成されている。これを折りたたむと縦103mm×横182mmの大きさになる。画像は台紙の上段に印刷されている表紙面に当たる部分で、折りたたみの都合で実際は上下が反転して印刷されている。裏表紙にあたる下段側には何も印刷されていない。
 表紙面のイラストだが、タイトルのバックには編成愛称である「21」の数字がトリコロールで塗り分けられている。塗り分けは車体側面に書かれたものを思い起こさせるようにデザインされているが、実際の車体側面の塗り分けとは異なっている。
 乗車券の番号は「09883」となっている。

 
【入手日:85.07.20./掲載日:23.10.02.】
 内側となる面の上段には、2100系の説明と編成図が描かれている。編成図を見ると当初は6輛編成で運転を開始したことが判る。最終的に2100系はマイナーモデルチェンジをしながらも8輛編成5本が製造された。
 左の画像はクリックすると拡大表示します。
 ここに書かれた説明を読むと、まさに伊豆急が狙ったコンセプトはかなり当てはまる結果になったといえるだろう。だだひとつ外れているのは、「21世の列車」と謳いながら2006(平18)年に全車廃車となってしまっているので、21世紀にはたった5年余りしか活躍できなかったことくらいだろうか。

★外観 全車両共シルバーホワイトをベースに、海側に鮮やかな太陽をイメージする赤、山側には碧い海をイメージする青のラインを配した、観光路線にぴったりのスマートで斬新なデザインです。しかも、ワイドビューな正面スタイルに加えて、それぞれの側面にスケンルトン風連続窓(海側)と個室的感覚窓(山側)を採用。左右非対称の特徴を生かした画期的な窓配置が話題を集めることになるでしょう。
 ★展望車最前部と最後部にワイドビューの正面窓を採用。運転士とともに運転感覚を味わえるうえに、階段式配置の座席により、視界180度のパノラミックな展望が心ゆくまで楽しめます。 ★一般車 これまでの「電車」のイメージを鮮やかに一新しました。海に面した3人掛のゆったりシートと山側のプライベートな1人掛シートの配置がさながら海辺のホテルでのくつろぎを思わせます。シートはヘッドレスト、アームレスト付のハイグレードなデザインです。そのほか、イベント・ステージ、デッキ部のサンルーフ(天窓)、冷暖房装置、室内照明、手掛、荷棚、自動ドアなど快適な旅を満喫していただけるよう、きめ細かく演出しました。2100系新型電車は「心の豊かさ」を求める時代にふさわしい「21世紀の列車」といえます。
 
【入手日:85.07.20./掲載日:23.10.02.】
 記念乗車券は台紙の内側となる面の下段に、東急グループであることを示す東急の社章の地模様の上に貼られている。貼られた記念乗車券部分の大きさは縦84mm×横149mmである。発売日は昭和60(1985)年7月20日だが、有効期間が翌昭和61(1986)年1月31日までと、記念乗車券にしては有効期限が半年あまりもあるは珍しいのではないだろうか。注意として、この記念乗車券部分を台紙から剥がすと切符としての効力が無効になることが記されている。
 画像下の部分にはこの記念乗車券について2つの説明が書き加えられている。ひとつは台紙を二等辺三角形に折ることで机上に立てて飾れるようになっているということと、もうひとつはこの2100系が印刷されている記念乗車券部分はエレクトロフォーミング(電気鋳造)を用いて印刷されているということである。電気鋳造の詳細についてはネット上に落ちている情報へ参照願うこととして、簡単に書くとメッキ技術のひとつで、応用すると紙などのシート状のものに金属そのものを印刷できるということらしい。

 
【入手日:85.07.20./掲載日:23.10.02.】
 2100系がデビューするのに際し、車両愛称の一般公募が行われた。この時中学生であった私は応募を試みたが、結果は当然というか不採用であった。画像は、2100系の「リゾート21」愛称決定通知と伊東-伊豆急下田間の往復乗車証を兼ねたものである。印刷は官製はがきの裏側に刷られていた。おそらくその当時の応募者全員に送付されたものと思われる。内容を細かく見ていくと、他には伊豆急行線のみならず、伊豆バイオパーク(現・伊豆アニマルキングダム)、下田ロープウェイ、伊豆急マリン遊覧船(現在は加森観光グループの「伊豆クルーズ」として運航)を割引で利用できるとこと、2100系の記念乗車券が発売案内も記されている。
 中学生だった私が応募に使用した愛称候補名は今でも覚えているが、ここでは割愛させていただく(笑)。このはがきを見て当時の私は、伊豆急行の本社が伊豆ではなく東京・渋谷あるということに驚いたのと、伊豆急行線に乗れるとはいえ10月から12月間に東京から行くには中学生には厳しい、と思ったことを覚えている。
 なお伊豆急はかつて東証2部に上場していた企業であったが、2004(平16)年に上場を廃止し、東急電鉄の子会社となっている。その後会社組織を整理し、2006(平18)年7月に鉄道専業の会社となり、翌2007(平19)年に本社を東京都渋谷区から静岡県伊東市の、運輸区がある伊豆高原駅に併設された建物へ移転している。

 
 
 

▲このページのTOPへ戻る